全てを失くしたときの保険手続きの応急処置

すでに述べたように、今回の震災では、行政の側でも、当面の危機を乗り越えるべく、様々な異例ともいうべき対応が試みられたのですが、それでもまだ、問題が放置されたまま、というべき部分が少なくありません。

例えば、労災保険や失業した際の基本手当の算定の基準。

労災保険の「休業補償給付」、「障害補償給付」などの支払いの元となるのは、被災した本人の「平均賃金」です。被災直前の3月分の賃金を平均して出すのです。

失業した際の基本手当もほぼ同様です。
離職前6月間の賃金の総額に基づいて、基本手当を決定します。

しかし、当然ながら、今回の震災のように、賃金を記録した賃金台帳や出勤簿どころか、会社自体が消滅してしまったら、賃金の算定はおろか、それらの資料を提出することさえ出来ません。
たとえ、受給資格があり、労災保険や基本手当を請求しても、多くの方が、最初の段階で、暗礁に乗り上げてしまいます。

では、賃金の内容を提出しなくても、それらを、ある程度、「事前に」確認しておく術は無いものでしょうか?

あります!!

9月から1年間の健康保険料や厚生年金保険料を決めるに当たって、各会社は毎年7月に従業員ごとの「標準報酬月額」を提出することになっています。
「標準報酬月額」は、基本的に、4月・5月・6月の賃金を平均して計算し、日本年金機構と全国健康保険協会によって、保険料算定の基礎として、「記録される」のです。

計算期間に少々の違いはあるものの、「標準報酬月額」も一定期間の賃金を平均して算出することには、変わりありません。
「平均賃金」も「標準報酬月額」も、同じとは言わなくとも、ほぼ近似の値であるはずなのです。

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